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未来の家づくりには、何が必要?数字で見る! 現代人が求める「住みたい家」とは

身の回りの物を自ら作るDIYが定着し、空き家を活用した取り組みが話題となる昨今。住宅にまつわるビジネストレンドが移り変わるなかで、私たちが思い描く「家づくり」の概念や主流も、変わってきています。
家づくりのきっかけや重要視するポイント、そして義務化が近づく省エネ対策など、今回は、そんな「家づくり」に関する気になる数字を紹介します。
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子どもの成長と家づくりは比例する?
消費税率の引き上げが購買心理に影響を及ぼすせいか、ここ数年、住宅を買いたいと感じる人や建築・リフォームのタイミングを意識する人が増加傾向にあります。
そこで、昔からの憧れとする人も多い「一戸建て」に対する住宅検討者の意識を考察。ここ2年以内に注文住宅の購入を検討している人を中心に、「家づくりを考えたきっかけ」について尋ねると、1位は「子どもが成長した」という結果に。漠然と一戸建てに憧れる層も2位に見られますが、やはり「子どもが誕生した(4位)」「結婚(7位)」といったライフイベントも大きく影響しているようです。
その一方で、建て替えの家づくりを考えたきっかけを聞くと、その多くが老朽化に関係しています。特に「夏暑く冬寒い(5位)」に代表されるように、断熱性への対策が弱いとされる日本の住宅に、快適さを感じられない側面があるようです。
さらに、「親(または子)との同居(7位)」にも見られるように、親の介護に備えてバリアフリーを意識し、リフォームするケースもランクイン。家族のライフステージに合わせて、家づくりを見直すことが定番化していることが伺えます。巣立った子どもがやがては年老いた親との暮らしを考え、改めて家づくりに向き合うことは、家族の歴史のなかでも、大切なシーンの一つなのかもしれません。
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耐震性とDIY以外にも、気になる次世代ハウスZEH
住む家族と共に年を重ねる住宅ですが、やはり重要視したいのが耐震性(1位)。これは、地震大国である日本の事情をよく反映していると思われます。2位には、「間取り・プランが優れていること」が続き、デザイン性や導線、収納(5位)も欠かせないという意見が上位に。
また最近では、すっかりトレンドが定着したDIYへの関心も高く、自ら作業に一部参加することに、抵抗感を抱かない人が増えています。
人気の理由を考えると、リフォーム実施者の苦労点としてよく聞かれるコスト面での回避策として、DIYが人気だと想像してしまいがちですが、意外とそうでもありません。
上記の図にあるように、DIYしたい内容と理由を参照すると、「庭をつくる(1位)」以外にも、「壁に漆喰や珪藻土(けいそうど)を塗る(2位)」といった本格的な作業が続き、「自分らしい空間をつくりたいから(1位)」に重きを置く人が、「コストが抑えられるから(3位)」と回答した人を上回っています。
時代の流れとして、よりパーソナルさを演出できるDIYの魅力が、かなり浸透してきているといえます。
またDIYと同時に、最近よく市場で見かけるのが、「スマートハウス/ZEH(ゼロエネルギーハウス)」。ITを駆使して住宅内でのエネルギー消費をマネジメントすることをいいますが、一般的な認知度はかなり高く、「導入を決めた+検討している」層は、計50%を超える結果となりました。導入のきっかけとしては、東日本大震災以降、省エネや節電などへの意識が変わったことが影響しており、ここ数年興味を抱く人が増え続けているようです。
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まとめ
全体を通して調査のなかで大きなテーマとなったのは、「機能性の充実」と「自分なりの空間づくり」、この2つでした。特に太陽光発電などをうまく活用し、自宅で消費するエネルギーを自らまかなう暮らしは注目度も高く、2020年の省エネ基準適合住宅の義務化へ向けても、必須テーマとなってきています。そのなかで、ますます新しい技術の開発が期待される住宅・建築業界ですが、「快適な暮らし」を両方から追求していく先には、一体どのような新サービスやアイデアが登場するのでしょうか。ミセナカジャーナルでも、今後の展開に期待したいと思います。
(データの引用元について)
株式会社リクルート住まいカンパニー
「2015年注文住宅動向・トレンド調査」 ■ 調査対象/下記条件を満たすマクロミルモニターの男女個人 【建築者】1年以内に一戸建て(新築・建て替え注文住宅)を竣工した人 【検討者】今後2年以内に一戸建て(新築・建て替え注文住宅)の購入を検討している人 ■ 調査地域/全国 ■ 調査実施機関/株式会社マクロミル *いずれも本人または家族が下記職業の人を除外 住宅メーカーまたは販売、不動産・建設関連、広告代理店・市場調査関連 ※1 『住まいの買いどき感』調査 詳細はこちら
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