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『ウエディングアイテム&演出フェスタ』から見えてくる 結婚式を控えたカップルが求めるものとは?

サンケイリビング社が発行する結婚情報誌レイウエディング大阪・兵庫・奈良主催の『ウエディングアイテム&演出フェスタ』が5/29(日)大阪梅田のハービスホールで開催されました。今回、ミセナカジャーナル編集部は、タナックスが企画・製造販売する「BOX Factory by misenaka(以下、BOX Factory)」の出展ブースで、来場したカップルたちにアンケートを実施。前回の記事で、WEDDING DESIGN LAB°_のウエディングプランナー・兵庫裕美さんから伺った、近年の結婚式の動向や花嫁DIYの内容と照らし合わせ、結婚を控えるカップルのニーズとその実態について分析します。
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人気アイテムの理由は“自由度の高さ”
結婚式の招待状などのペーパーアイテムや映像演出、引き出物、二次会プロデュースといった演出アイテムやサービスを販売する18社が集結したこのイベントには、約180組のカップルが来場し、大きな賑わいをみせました。来場したカップルの年齢層は、20代~40代。中には、およそ20歳差のカップルや、姉妹や友人を連れて訪れる人たちもいました。「BOX Factory」は、タナックスの技術を生かしたダンボール製のアルファベットオブジェや、オリジナルデザインをセミオーダーできる大型フォトブースレンタルサービスなどを展開。来場したカップルが実際に式場に設置するイメージをもてるように、ブース内では実物を多数展示しました。
フォトブースは、ブラックボード(黒板風)や、芸能人の結婚記者会見を思わせるインタビューボードのデザインなど、計7種類があり、圧倒的に人気を集めたのはブラックボード(黒板風)。その理由は、「 友人の結婚式や海外ウエディングの写真で見たことがあり、おしゃれで憧れていたが、自分で作るのは難しそうだから」、「ゲストに写真撮影をもっと楽しんでもらいたいから」という内容でした。また、ブース来場者から好評だったアルファベットオブジェは、結婚式のテイストやお客さまの好みによって選べるようになっているため、色やフォント、サイズなどをカスタマイズできるところが人気の理由。また、購入者は造花やモスシートなどを貼って自由にアレンジすることが可能。「自分たちらしく装飾して、ウェルカムスペースや受付に飾りたい」、「“L O V E”の文字で購入して、ゲストたちと1文字ずつ手に持って写真を撮りたい」、「2人で“&”の文字を両側から持って前撮りをしたい」といった声が挙がりました。DIYブームの後押しもあり、やはり購入者自身で装飾をしたり、使い方を選べるところがポイントのようです。 -
圧倒的支持を集める結婚情報誌と、キュレーションサイトやSNSで情報収集
「BOX Factory」のフォトブースやアルファベットオブジェなどのアイテムの存在を、雑誌やSNSで見て気になっていたという声も挙がりました。実施したアンケートでは、結婚式の情報収集で参考にしている媒体として「雑誌」が半数以上を占め、その中でも『ゼクシィ』と『レイウエディング』がダントツの人気。雑誌全体の発行部数が落ちてきている現代でも、結婚情報誌の存在は大きいようです。また、「Webサイト」の回答でも、「ゼクシィネット」と「レイウエディングネット」が2大勢力。結婚式の情報を扱うWebサイトは数あれど、“結婚情報誌のWebサイト”という信頼感が、支持が厚い理由でしょうか。最近では、結婚式準備のためのキュレーションサイト「marry(マリー)」を見ている人も多く、ブライダルグッズの手作りアイデアや、海外ウエディングのおしゃれな写真が多いところが魅力だそう。
SNSを参考にすると回答した人はInstagramで“#プレ花嫁”と検索するそうで「他の花嫁たちの結婚式準備の模様がまとめてチェックできて便利」と語っていました。中には「雑誌もWebサイトもSNSも全部見る」という回答もありましたが、「結婚が決まったカップルは、まず書店に結婚情報誌を買いに行く」と兵庫さんが語っていた内容を裏付ける結果となりました。
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“自分たちらしさ”を演出し、ゲストを喜ばせたい
来場したカップルの結婚式予定時期は、4~6カ月以内が最も多く、次に3カ月以内、7~9カ月以内と続きます。そのためか、まだまだ結婚式のイメージや内容が固まっていない方が多く、具体的なビジョンについての回答はあまり得られませんでした。しかし、「結婚式でこだわりたいことは?」という質問に対しては、「装飾」と答えた方が「演出・余興」における回答の約半数以上という結果になり、「装飾をアレンジして自分たちらしさを表現したい」、「ハンドメイド(DIY)の趣味を生かしたいから」という理由でした。演出・余興を選んだ方からは「サプライズをして親や友人たちを喜ばせたい」、「せっかく来てもらうから、ゲスト参加型の演出を考えたい」という理由が挙がりました。前述の兵庫さんが、花嫁DIY流行の理由について「自分たちらしさを演出し、“感謝”や“絆”を伝えることで、ゲストの感動を呼ぶ」と分析していたように、どちらにも共通することは「結婚式に来てくれるゲストに感謝の気持ちを伝え、もてなしたい」という気持ちでした。
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“自分たちらしさ”を演出し、ゲストを喜ばせたい
「今後の結婚式演出アイテムに求めることは?」という質問では、低価格化を求める声が最も多く、次にオリジナリティ、“軽量化”や“持ち運びの便利さ”を挙げる声が続きました。これらの回答をまとめると、「自分たちらしさを演出することで、ゲストにも喜んでもらいたい。しかし、予算はなるべく抑えたい」といった現代の新郎新婦たちのニーズが見えてきます。「結婚式のスタイルが変化しても“親やゲストに感謝を伝えたい”という気持ちは現代も昔も変わりません」と、兵庫さんがいうように、今後のブライダル業界に求められることは、新郎新婦の感謝の気持ちがより伝わりやすい商品やサービスを提供することではないでしょうか。
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